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例えばとは?/ ノーローン

[ 85] 例えば、コミケを無くしたくなかったら。 - rough note.
[引用サイト]  http://www.rough-note.net/index.cgi/024

今回は「例えば、コミケが無くなったら。」の続き……というか、補足記事になります。まだ読んでいない方は、そちらの方をお読みになってからこちらの記事をお読みください。
当該記事の「■ 3.コミケ中止が他即売会に与えうる影響」でコミケが中止になった場合のミニ・シミュレーションを行いましたが、ここではもう少し踏み込んだ形で書いていきたいと思います。
コミケが内部要因により中止になるとしたら「一般参加者が起こすトラブル」「サークル参加者が起こすトラブル」、希有な例として「スタッフが起こすトラブル」の三つがあり、そのどれもが中止、及びその後の貸し出し停止という措置が取られる可能性があるというのは前回書いたとおりです。それでは、今回はそれらがサークル側や即売会だけでなく、同人界にどういう影響を及ぼすことになるかというのに言及してみます。
関東甲信越のコンベンションセンター組織(のようなものがあるようです)の会合でも、都産貿のことについては議案にあがっていて、関東甲信越の会場側には周知のこととなっています。
実際「幕張事件」で幕張メッセが使用できなくなった際には「問題のあるイベントには貸さない」という理由を出されていて「同人誌イベントには問題がある」という認識を持たれてしまえば、会場側が貸し出しを渋る可能性もあり、それについては幕張事件直後に印刷所へと送付された緊急アピールでも故・米澤嘉博氏が言及しています。
現在のところ、コミックマーケットは晴海の会場から断られた時点で、開催の目処の立たないまま終了するしかないという切迫した状況にあることを認識していただきたいと思います。また、コミックマーケットにおいて「事件」となった場合、他の即売会、会場へ大きな影響を与えることとなり、同人誌界そのものが危機的状況に陥る可能性はかなり高いと言わねばなりません。まさしく、この夏のコミックマーケット40は、同人誌界の存亡をかけたものと言ってもかまわないと考えます。
これは逆に言えば「他の即売会がコミケ、他の即売会、会場へ大きな影響を与えること」にもなりかねないわけで、コミケだけでなく、オンリーや他のイベントであっても「ここが使えなくなっても、代替の会場があるから大丈夫」「たぶん大丈夫でしょ?」という感じでハメを外してしまえば、他のイベントもろとも道連れになることも十分あり得るわけで、実際都内・首都圏会場ではそうして使えなくなった会場(一時的含め)がいくつかあります。
もしそうなったとしても、幕張メッセが使えるようになったり(あちらの経済事情という裏道ではありますが)したように、ある程度のスパンをおけばコミケ・同人誌即売会自体は再び復活することが出来る土壌も築かれる可能性は残されているでしょう。但し、それは一年、二年という短いものではなく、中止になった際の原因によっては五年、十年という長いスパンになることだってあり得ることで、決して楽観は出来ません。
ご理解いただきたいのは、「会場」という場は大変なものだということです。「コミケット」が中止に追い込まれれば、もう会場が貸せる可能性は大変に低くなります。ボランティアを大量動員できるからあの警備体制がひけるのであって、ガードマンを使えば凄まじいコスト増です、それに耐えられる即売会はありません。だからこそ、平和に移行したならともかく「事故中止」では「たいへんなこと」になるのです。
それでも10年のスパンでは復活は可能だと思います。しかし、その10年に失われるものを考えると、暗然たるものがあります。
岩田氏が述べている「10年に失われるもの」というのは「コミケ開催・運営のノウハウ」や「その間に過ぎていくジャンルの二次創作物」「即売会が無くなったがために生まれることが無かった一次創作物」「それらを見ることが出来ない自分を始めとした一般参加者」など、コミケや同人即売会にまつわる様々なものだと思います。
長いスパンで復活したものの、その後が芳しくなかったものの例として、前出の幕張メッセでの即売会があります。
どのイベントも募集数と実数の落差が相当なものだとお解りになるでしょうが、参加費をいくら安くしたりサークルカットをフルカラーにしてみたりと大盤振る舞いをしても満了とはほど遠い状況で、多くは8館(98年以降は新館を含め11館)のうち1館のみ使用でした(「ゲームコミケ」のみ本館横の「イベントホール」を使用)。サークルが集まっても一般参加者が少ないという事態も起こったりして、その後赤ブーブー通信社は幕張から撤退。スタジオYOUも小規模なイベント開催に留まり、最近では同人誌即売会自体が幕張メッセでほとんど開催されなくなってしまいました。
もちろん、東京からの交通の便の悪さや立地の悪さ、コミケ中止に対する会場への悪印象、東京ビッグサイトの開業等の影響も大きいでしょう。しかし、交通の便の悪さに関しては当時のビッグサイトも同じで(都バスが主要交通機関)、両即売会がいくら安価に設定してもビッグサイトでの両即売会以上に悲惨だった状況を見ると、この「6年間のスパン」が幕張という地での同人誌即売会を「今更」と大変難しいものにしてしまった可能性も否めず、94年に気運が高まっていた時点で即売会を復活していれば、もしかしたら違った展開があったかもしれないと思えるのです。
※実際、1994年の「コミックシティin幕張1(仮)」中止は草の根パソコン通信などでも騒がれたことで参加者側から強い反応が起きましたが、97年の復活の際はあまり反応が無かった(あったとしても中止後の推移からして懐疑的だった)という記憶があります。
コミケが中止になり、長いスパンを経て復活した場合はその場の特殊性もありますし、求める人も多いことからそういった過疎などの悲惨な状況はにはならないかもしれません。ですが、中止時の状況によっては「安全性を確保するためにスペース数を減らしてセーフティーゾーンを作る」「成人向作品はゾーニングで完全隔離して複数人によるチェック、もしくは成人向作品の取り扱いはお断り」といった風に中止時の原因を取り除いた形で開催することが条件付けられ、従来の形でのコミケやその他各種即売会を維持することは難しいでしょう。
同人誌作り・イベント運営のノウハウなどは失われることはないでしょうが、ここで何より忘れてならないのは『同人誌印刷所』の存在。コミケが中止になったり、その影響で小さな会場でも同人誌即売会が開けなくなったりすると印刷するべき本も無くなってしまうわけで、それまであった収入が無くなってしまって営業が立ちゆかなくなる可能性もあるのです。
実情として、近年は同人誌印刷所が多く開業している裏で倒産・廃業が多くなっていて(この5年間で判明しているだけでも14件)、即売会のカタログなどで大きめの広告を出して羽振りがよさそうだった所でも突然倒産してしまったりと同人誌印刷所にとっては厳しい状況が続いています。例え中止したコミケ・即売会が時を経て復活したとしても、その間にいくつかの印刷所が無くなってしまったり、業態変更をしてしまう印刷所があったりと同人誌を作れる場が狭められる、もしくは失われることも十分にあり得るのです。
※以前オフセット本を出すために都内のある印刷所の方と話した際には「印刷代を上げればお客さんが減ってしまいますし、かといってフェアで安くなった時にばかりお客様が増えても利益は減っていまいますし、痛し痒しです。結構厳しいですね」ということも聞きました。実際、最近値上げに踏み切った印刷所もあるようです。
同人誌即売会は、確かに自由な表現の場であり、多くの人がそれに自由に触れることが出来る場です。でも「自分だけがやっても大丈夫」「どうせ他人もやってるだろう」という認識で気軽にルールを破った結果、同人界にこういったダメージを与えて「作りたかったはずの同人誌・同人ソフト」「読みたかったはずの同人誌・同人ソフト」に触れられる機会がしばらく――もしかしたら二度と無くなってしまうことだってあり得ます。「分裂・細分化」「余所で開催」といった生易しいものではなく、最悪の場合は「ペンペン草すら生えない荒れ地」が待っている可能性だってあるのです。
「あまりにもネガティブな想像をしている」という方もいるでしょう。でも、実際1991年にはそんな暗い未来になりかけ、準備会や晴海会場などの多方面の努力でギリギリ回避し立ち直ることが出来たに過ぎません。一歩間違えれば、こんな悲惨な状況が待っていてもおかしくなかったのです。
そんな暗澹たる未来に堕ちないためには、やはり即売会に参加する際には参加者一人一人がある程度危機に対する意識・安全に対する意識を身体的にも、また表現的にも持っておいたほうがいいと思います。前者なら、コミケで行われる一日数回の「一斉点検」なんかは良い例ですね。「自分には関係ない」と思ったことでも、何か異変を見つけるきっかけにはなるかもしれません。
「多くの変化を受け入れ、生き延びていくことが当面の目的ですが、そこを楽園に変えていくことは参加者全員で行っていかなければならないことです。なあに、それはそんなに難しいことではありません。ちょっとした人への気配り、ルールを守ること、常識を持つといったことなのです」とは前回にも書いた故・米澤氏の言葉ですが、即売会や同人誌に興味を持った人はカタログにしっかり目を通してみたり、各種サイトで同人界のことを学んでみたりしてみてください。そして、即売会や同人誌に興味を持った人が身近にいたのなら、そういった場の雰囲気や自らの経験を教えてあげたりしてみてください。重い歴史や危機のこと語らずとも、まずは即売会に参加する際のルールや心構えだけでも十分です。「知る機会・きっかけ」を少しでも増やすことが、即売会を楽しく過ごすための手助けになるはずですから。
最後に、前回と重複する部分もありますが、同人のことを知るきっかけになりそうなサイトをご紹介させていただきます。

 

[ 86] 例えば、コミケが無くなったら。 - rough note.
[引用サイト]  http://www.rough-note.net/index.cgi/021

ここ最近の各所でのコミケ話・同人話を見ているうちに、ふと「もしもコミケが無くなったらどうなるんだろう」と思い、ちょろちょろと考えているうちにいろいろと出てきたのでちょっとまとめてみることにしました。
今でこそコミケは73回も開催され「あって当たり前」のように存在していますが、過去にコミケは幾度もの危機を迎えています。これらのほとんどはコミケ、かつ同人イベント全てにおいての危機とも言えるもので、中には同様のことが発生した場合「即時にイベントの中止が宣告される」というものまで含まれています。
以前はコミケに一般参加するにはカタログが必須と言われてきましたが、ここ最近のインターネットなどの情報技術の発展によって、カタログが無くともサークル側HPなどのネット上の情報を見れば気軽にコミケに来ることが出来るようになりました。それは、これまでカタログに記載されていたコミケにおけるルールを知らずとも来ることが出来るようになったことを意味し、これまで存在していた行列に関する暗黙の了解などが通用しなくなっているとも言えます。
こちらでは二例ありますが、まずはやはりコミケ58(2000年8月)で発生した「西館シャッター前事件」でしょう。東京ビッグサイトの西2ホール、その外周部に超大手と目されるサークルが配置され、開場30分前の全館閉鎖時には出来てはいけないはずの行列が広大な中央通路を全て埋め尽くし、あふれ出すぐらいにまでなっていました。あまりもの事態にこの列を外のヤードに出すという判断がなされ、開場20分前にシャッターが開けられた……その時でした。
一斉に館外へと雪崩れ込んだ数千人の人波は、シャッターの真横にあったサークルを突っ切ろうと机を破壊し、荷物や同人誌を踏みにじり、押し合いへし合いで幾人も巻き込んで怪我人を出し、担架や車いすで運ばれていくという事態になってしまったのです。
その後は何事もなかったようにコミケが開催されましたが、コミケ59以降は行列などが厳重に管理されていくようになり、現在へと至っています。
もう一例は少々古く、また一般常識に関するものではあるのですが「都立産業会館・台東館(現・都立産業貿易センター台東館)」で開催されたコミケ12(1979年7月)では、参加者がごみ箱にタバコの吸い殻を捨てたことでボヤが発生。以降台東館でのコミケ開催は出来なくなったという事実が、1996年発行の「20周年資料集」に記載されていました。
サークル参加者側の要因としては、成人向けなどの発行物における表現絡みで問題が発生しうることが挙げられます。こちらはコミケ40(1991年8月)前に発生した「幕張事件」が「コミケが存亡の危機に瀕した」明確な例として挙げられるでしょう。
1991年2月末、東京のマンガ専門店など3つの書店が「ワイセツ図画販売目的所持」で書類送検されました。その摘発対象物は「同人誌」数冊。それはその後さらなる広がりを見せ、結果同人誌印刷所、サークル関係者など70名以上が5月までに書類送検されるという大きな事件に発展。さらにはコミケ40の開催会場となっていた「幕張メッセ」の所轄である千葉の警察署に成人向同人誌数冊が持ち込まれ、コミケ準備会と幕張メッセが事情聴取を受けることとなり、結果「トラブルのあるイベントに会場を貸すことは出来ない」と幕張メッセ側から通告され、たまたま日程が空いていた晴海国際展示場に再移転することでどうにかコミケを開催することが出来ました……が、ここでコミケ側と晴海側である約束事が交わされることとなります。以下「20周年資料集」の「緊急アピール」、及び故・米澤嘉博コミックマーケット前代表が書かれた「会場移転の真相」から引用させていただきます。
場の維持、生き延びることを準備会としては選択しようと確認し、コミケット40の会場、日時を移すことで夏コミをなんとか開こうと動いた結果、晴海の国際貿易センターと話をまとめることが出来た訳ですが、これについては次のような条件が付加されました。
夏コミの会場に於て、「ワイセツ図画」と見なされる同人誌が1冊でも持ち込まれ、売られることが無いように万全の対応策をとるというものです。
――といった内容です。当日「現行犯逮捕があった場合は即刻中止、後日発覚「事件」となった場合は冬コミ中止、以後一切コミケットには会場を貸さない。それは、何かあった時には、コミケットが無くなってしまうことを意味しています。晴海以外で一万以上のサークル、 十万以上の一般を収容出来る会場はないのですから。
晴海に戻るにあたって、この「ワイセツ」図画問題をクリアしなければ、貸せないという約束が取り交わされ、現在も「コミケットアピール」の「緊急アピール」にある対応策と事前チェックを行うことになっていく。今もこの約束は生きており、サークルへのお願いを含めて、守られていかねばならない。
この約束は、東京ビッグサイトが上記の東京国際見本市会場・晴海国際貿易センターの運営を離れた現在でも生きていると考えたほうがいいでしょう。つまり、サークル側にはいつでもこの「約束」が突きつけられているということになり、行きすぎがあった場合は問答無用で「即刻中止」という対抗措置を取られてしまう可能性が高いのです。
現状、コミケを支えていただいているのはスタッフ参加者の方々と言っても過言ではないわけですが、そんなスタッフ側にも「コミケが中止になる要因」というのは存在します。今のところは発生していなかったり未然に防いでいる形ではありますが、運営上のミスやトラブルがあった場合、責任を問われるのはスタッフであり準備会だからです。この点で一つ特別な例を挙げるとすれば「分裂」でしょうか。
「分裂」というのはコミケ19(1981年12月)直前に発生した「コミケット準備会分裂事件」。「20周年資料集」によると、ベテランスタッフと若年層スタッフの間で「管理派」と「自主性派」といった運営に関する対立が発生し、その結果クーデターが発生。二つの「コミケット準備会」が当時コミケ19の開催を予定していた「川崎市民プラザ」に申込を申請し、そのどちらもが会場側から使用を却下され、結果本家側は「晴海国際貿易センター」(現在は有明会場に移転)へと移転。分裂側は「電波ホール」(現存せず)へと移転し決着したものの、ここでは元会場側から「使用不可能」という結論を伝えられています。
その他、98年に発生した「発火装置事件」(98年8月・12月発生。12月は未遂で逮捕)なども「外的要因」として挙げられますが、内的要因としては以上かと思われます。過去これだけの事件が起きながら現在もコミケが存続しているのは、故・米澤氏を始めとした当時のコミケ準備会の手腕が大きいのかもしれませんが、裏を返せば止まることを許さないほどにコミケの規模が急激に大きくなったためとも言えるのかもしれません。
それでは、もしも現在のコミケで上記のような事象が発生したらどういうことが想定されるのかというのを、簡単にシミュレーションしてみましょう。
発生した規模や準備会の対応によって左右されると思いますが、規模が大きくなってしまった場合、会場側の対応が流動的になる可能性は高いでしょう。その中に最悪の事態として「中止」が含まれることは避けられないと思います。
こちらに関しては前述のコミケ12、そしてコミケ54(98年8月)と二つの対応が挙げられます。コミケ12は都立産業会館を出入り禁止となりましたが、コミケ54にて発生した「発火装置事件」では前日搬入中に発火装置が作動してボヤが発生し、館内を閉鎖し事情調査が行われた後、翌日からのコミケは警備体制を強化した上で開催されたという違った対応が取られています。こちらに関しては、対応次第と言えるのかもしれません。
開催前のスタッフチェックで発覚した場合はマーカーでの修正などで対応できるかもしれません。しかし、対応しきれずに発覚してしまった場合は前述の経緯もあり、問答無用で中止になる可能性が高いでしょう。
「準備会分裂」は希有で極端な例ではありますが、これは対応次第かと。どちらかというと上記のトラブルなどに直面する立場であり、前項のような事件に対応することになるかと思われます。
今までは「代替の会場があった」「対応で切り抜けた」などの緊急回避策によってコミケの中止は避けられてきましたが、まず代替の会場に関しては東京ビッグサイト以外に安全に移転できる場所はありません。同規模の展示場としてはインテックス大阪(大阪府)、幕張メッセ(千葉県)が存在するものの、前者は配置から何から完全にゼロからのスタートになることから難しく(ビッグサイト移転の場合は事前に準備期間はあった)、幕張メッセに関しては前出の「幕張事件」の影響もあり、空きがあったとしても準備会側としては心情的に幕張移転だけはしたくないということをスタッフ関係の知人から聞いたことがあります。
※注:幕張メッセ自体は1997年頃からコミックライブ・コミックシティなどに向けて同人誌即売会目的での施設使用を再開していますが、ここ数年は同所で同人誌即売会は開催されていません。
そして、対応に関しても様々な形で切り抜けてきた元代表の米澤嘉博氏、コミケ・同人誌のご意見番として幕張事件などに直面してきたイワエモンこと岩田次夫氏は鬼籍に入られてしまい、また当時を知るスタッフも多くは世代交代していると思われます。代替会場の件を含め、今後同種やそれ以上の事件が起きた場合に「対応出来る」とは完全に断言しきれないでしょう。
以上のことを見てみると「コミックマーケット」という同人誌即売会は非常に細いロープを渡りながら続けられているものであり、また様々な「トラブル」という名の強風に吹きさらされている状態でもあるのです。
コミケを開催する場として、東京ビッグサイトは最大であり最後の場です。Dr.モロー氏がコミケ49のカタログで書いていたように「有明が安住の地になるとは限らない」「それどころか、有明を追い出されても帰る所はもうない」のです。過去コミケが行われた東京流通センター、川崎市民プラザでは何日間開催しようが足りるものではなく、東京国際見本市会場、大田区産業会館は既に取り壊され、同じように巨大な展示場である幕張メッセやインテックス大阪では前記のような問題があり、半年や一年でゼロから立て直すのは大変困難な状況となります。
では、もしもコミケが中止になった場合、その他の即売会に一体どのような影響があるのかというのを想定してみましょう。
まず、東京ビッグサイトが使用禁止になった――特に前項目の「1.1」や「2」のようなトラブルの場合、東京ビッグサイトを使用する同人誌即売会は全て締め出されてしまう可能性が非常に高いと考えられます。これは前記の「約束」にも関係していますが「同人誌」というモノがトラブルを起こす元になりうると認識された場合、コミケ以外の同人誌即売会もトラブルが無かったとしても「同人誌」が存在する限り、同様に処断されてしまうことが考えられるからです。即時全イベント使用禁止ということが無くとも「最後に借りていたイベントを最後に使用が出来なくなる」という事態も考えられます。
こうなると「綿商会館」「東京文具共和会館」「サンシャインシティ」といった私立のホールや「ハイライフプラザいたばし」「Pio」のような区立・財団法人管理の会場にスポットがあたるようになるかと思われますが、こちらは現状でも即売会が多数開催され、また一般的なイベントも行われることで借りることすら難しくなっています。中には豊洲文化センターのように利用者のモラル低下によって使用が禁止されていたり、そもそも金銭の授受があるイベントを受け入れてない文化施設もあるために、選択肢が多いとは決して言えない状況なのです。
他にも都外に目を向ければ「横浜アリーナ」「さいたまスーパーアリーナ」といった会場がありますが、こちらは個人・共同レベルで借りるには広大かつ高額で難しく、またコミケレベルの即売会を開くにも逆に狭小で難しいという使い勝手がいいとは言えない会場となっていて、以前開催していたコミックシティも現在では使用しなくなっています。ただ、コミケ中止という緊急事態になった場合は企業イベンターによって使用されることもありそうですが、中止時の状況如何ではこういった一般向けイベントが多く開催される会場でも使用できるかどうかが限られてきそうです。
こうなってくると、同人イベントに参加する機会が減り、代わりに店舗委託を利用する人も増えてくるのでしょうが、その店舗も棚などのスペースが限られているわけで、委託サークルが急増した場合は委託数の減少やサークル自体の受入数の制限も設けられる可能性があり得ます。あとは個人がWeb上で通信頒布するという手もあるものの、こちらは個人情報を晒すというリスクも必要になってきます。
以上の想定から、コミケという大きく自由な即売会が無くなることで同人誌が発表できる場は縮小していき、小さいコミュニティへと衰退する危険性を孕んでいます。特に前項の1.1や2のような参加者が自分で自分の首を絞める事態が起きた場合は、更に大きく厳しい制限で締め付けられる可能性すらあるのです。2においては、上記のような会場全てが同人イベントへの貸し出しを拒否してもおかしくありません。現に、一部の会場で緩やかながらも制限が実行されているのがその証明ではないでしょうか。
まず一般参加者側ですが、ルールなどが記載されているコミケカタログの冊子版はCD−ROM版の普及により部数が減少しており、50万人以上いると言われている現在の参加者全てに簡単に見られる形で周知するというのはほぼ不可能に近くなっています。また、Webなどを利用してサークル・企業のスペースNo.が簡単に周知出来るようになったことでカタログ自体を見ずに行くことが出来る現状を考えると、コミケのルールなどを知る機会自体が減ってしまったというのも過言ではないでしょう。ここで一つの対応策としては「サークル・企業側の告知のついでに『徹夜禁止』『行列が出来た場合の対処法』など簡単な注意事項などを併記しておく」というものが考えられ、それとともに詳しく解説が掲載されているHP(「コミケ参加の基礎知識」http://human-dust.kdn.gr.jp/doujin/gocomiket/ など)に誘導することも挙げられます。必ずしも読まれるとは限らず、決して効果が高いと言えないでしょう。けれども、サークル側も一般側もコミケの基本ルールを知る機会を作ることは出来ると思います。
サークル参加者側については、これはもう「自主規制のチキンレースをどこで留めるか」にかかっているでしょう。幕張事件以前は無修正本が出ていたのが、事件以降は局部を中心として内股あたりまでが円形、もしくは海苔状にベタ塗りされているという形になっています。それから17年が経った現在は局部をほぼ露出させ、カケアミや網状のトーンでごく一部のみを隠すというギリギリな描写――見る人によってはアウトになりそうな描写も中には見受けられます。これ以上踏み込めば、多くの即売会ごと奈落へドンという事態にもなりかねません。幕張事件の際に取り交わされた約束は、まだ生きていると見ておかしくないのですから。
余談ではありますが、もしも幕張事件の際に晴海会場が受け入れていなかった場合、この時点でコミケは消滅したか、規模を縮小して一つの即売会として存続していたかのどちらかの運命を辿ったでしょう。今こうやってコミケが存続しているのは、僥倖とも言えるのです。「約束」について色々思う方もいるでしょうけれども、その約束によってコミケがこれまで生きてこられたとも言えます。
最後にスタッフ側。米澤氏が亡くなった現在、安田かほる、筆谷芳行、市川孝一の三氏の共同代表によってコミックマーケットが運営されています。「幕張事件」や「西館シャッター前事件」などで行われたような対応が今後も求められるわけで、これについて代表間でブレが出ないことも求められる――即ち「コミックマーケットを安定して運営する」ということが求められると思います。今は代表のお一方が別の即売会を運営しており、そこでは独自の路線を採り始めているようですが、他即売会は他即売会、コミケはコミケとしっかりした区切りが必要になるのではないでしょうか。
そして、これらの事件は今後も起きうるものであり、対応一つ間違えばコミケが開催出来なくなるものさえあるのに、よくわかる資料が見やすい場に残っておらず、サークル側や一般側がどういった対応をすればいいのかという道しるべも無いということで、僭越ながら過去の資料などを参考にしつつ本稿を書かせていただきました。
コミケは確かに実績も歴史もあるイベントではありますが、後ろ盾があるわけではない有志のイベントであり、何かの拍子であっという間に無くなってしまう危険性を孕んだイベントでもあるのです。参加者全てがこのような意識を持ってというのは不可能かもしれませんが、多くの人がそのような認識を持つことで最悪の事態を回避することは出来るのではないかと思うのです。
用意された楽園など何処にもないのです。作り出していくことこそを考えていかなければなりません。多くの変化を受け入れ、生き延びていくことが当面の目的ですが、そこを楽園に変えていくことは参加者全員で行っていかなければならないことです。なあに、それはそんなに難しいことではありません。ちょっとした人への気配り、ルールを守ること、常識を持つといったことなのです。
>コミケ59以降は行列などが厳重に管理されていくようになり、現在へと至っています失礼します。57回以前も厳重に列が管理されていましたので、これはちょっと事実と違うのではありませんか? 東館と比べて練度の劣る西館スタッフの不慣れな対応が原因と聞いております。前後の書き方を見ると、わざと事実と少しずらして書いてらっしゃるのかもしれませんが……。
どうも、よつばの。の管理人です。91年の事件資料に関しては記事整理後には再掲載予定なのですが、消してから1週間くらいしか経ってないのに各方面からなんで消したんだこの野郎と散々言われています(笑近日あの文章だけさっさと再掲しますのでしばらくお待ちを。
中止だけで済む問題じゃないのはテロかと思いますが。危機管理としては、有明で生物・サイバー・化学兵器でのテロの可能性もありますな。動く人の数が数なだけに。そんな本もコミケットで売っていましたよ。それで、混沌に陥れる事も難しくはないでしょうね。
CD-ROM版のカタログにもルールは書かれていますしかも混乱しないようにページ番号を冊子版と合わせてありますゲートや外販、公共といった一般と接触の多いスタッフはあらかじめそのページを覚えておいて必要ならば「カタログの何ページを見てください、そこに書かれています」と説明しますCD-ROM版だからと言い訳されても「ルールの書かれたページは両方同じです」と切り返せるのです
ビッグサイトの視点から見ると・年に5〜6日定期的に全館を使用してくれる・会場内外商業施設および交通への波及効果を考えると、コミケ自身の事情による中止(わいせつ物など)の可能性は現時点では限りなく低いかなとむしろコミケはあまり経営状態のよろしくないビッグサイト側にとっても良いお客さまなわけでしてむしろ施設にとって一番致命的なのは周辺からの苦情(徹夜などによる)が一番かと公共施設にとっては住民からの苦情を非常に気にするわけでしてただあの場所は周辺施設にとってもコミケは良いお客様なわけでして
>TOSHIさん ご指摘ありがとうございます。西館視点のみで書いてしまったために、当時・過去のスタッフの対応が悪かったような誤解を招きやすい文書になってしまいました。この件に関して、深くお詫び申し上げます。>kokkuriさん わざわざコメントしてくださってありがとうございます。あの「幕張事件」に関する資料は多分に有用な記事だと思いますので、復活していただけたら実に幸いです。>Nagisa-Rさん 今回はどちらかというと「コミケ参加者が抱えている問題点」を書いたため、このような書き方になったのを御理解下さい。本に関しては「表現の自由」をコミケが抱えているだけに判断が難しいところですね……>Ittoさん CD-ROM版コミケカタログを自分も使用したことがあります。確かに注意事項などもありますが、アプリケーションの悲しい性かな、一番の目的である検索アプリを速攻立ち上げて作業してしまえばあとはいいや、という人もいそうで、ペラペラとめくりつつ目に入ったりする冊子版とはまた勝手が違うなぁというのと、ここ最近はネット上でサークルの情報を見れば済んでしまうがために「カタログ? なにそれ」と言うような人もいそうで、そういった人をどうすればいいのかという問題になりそうだと思い、このように記載致しました。>74さん それは人それぞれ、ということで。>とおりすがりさん ビッグサイト側がどう判断しているのか、という点がやはり自分もわからなくて今回の記事では迷ったのですが、米沢前代表自身が文書という形で残していたのでやはり現在もこういう判断がされる可能性も十分にあると思い今回こう記載しました。最終的には、公安関係が関わってきたら会場側としても危険イベントとして判断せざるを得なくなってくるでしょうし……現に、幕張事件で追放となったのはそれがきっかけなのですから。
こういう記事が今後も繰り返し読まれることが大事だと思う。みんな忘れるし、知らない人も入ってくるから。
コミケ58の西館シャッター前の事故の顛末をネットで調べたが酷いね、言葉が無いな・・マナー、ルール、モラル等の問題の前にこれ以上コミケを続ける意味はあるのだろうか?永遠の楽園など無いように、コミケもその組織としての終末が近いのかも知れませんね、無理に無理を重ねての開催が今の実情だと思う。同人誌に対する概念の変化が今のコミケの現状を表しているな、同人誌とは基本的に本屋で買う本とは違う事から教えなきゃ駄目だね、同人誌は一期一会と考えるべきものであり、それはチケットで入ろうが徹夜しようが、買えないものは買えない・・そう言うもんだ・・駄目ならきっぱり諦める、そう言う事が出来ない自制心のない人はコミケなど来ない方が良い・・。
いっそ海外で開催できればいいんですがね。近場で、渡航費が安価で、表現規制の緩い国・・・が都合よくあるわけもなく、結局は日本の中で、非オタクの方々を不安にさせないようやっていくしかないのが現実でしょうね。しかし、いつまでオタクや同人は社会から白眼視される立場に甘んじていればいいんでしょうか。日本文化の中でそれなりに重要な位置を占めるアニメ・マンガも、所詮警察権力のさじ加減ひとつでどうとでもされてしまうものでしかない。報道は珍獣扱いの域を出ず、異常な犯罪が起きるたびにやり玉にあげられる。自助努力が必要だ、受け入れていただけるように居住まいを正さねば、などと奮い立ってみても犯罪者予備軍などと後ろ指を指されればその意気も挫けようというものです。 逆にいえばこうした状況下でそれでも同人たろうとする人々によって今後のオタクムーブメントの進むべき道がつくられるのかもしれませんが。
コミックマーケットは同人紙という、個人単位でやり取りをするものを扱うには正直大きすぎると思う。地方の人同士がコミュニケーションを取れるなどのメリットも、それはあるだろうけど、それこそネットワークが発達した現在ならそれに替わるものを作り出していったほうがいいと思う。
>ななしさん 今回有り難くもこの記事を多くの方に見て頂いておりますが、願わくば若輩者である自分だけではなく、サークルや一般、スタッフ参加者として過去の件を経験した方などにもこういった記事を書いて頂けますと、新しく参加したりコミケにはどういう風に参加すればいいのかと思っている方が目にする機会も増え、なおかつ伝えやすいのではないかと思っております。>AAさん 良くも悪くも参加者に対しての間口が広くなった結果、参加する心構えなどの道しるべが見失いやすくなってしまったというのも原因でしょう。本との出会いは一期一会というのはごもっともですね。以前は手に入ればラッキーという本も多く存在し、購入できなければ仕方ない、そういう世界でしたから。>ぼ部さん 数十万という人が来て大混雑したり、頒布されている物の中に法律スレスレのものがあったりすれば警察や消防などに注目されても致し方ない面はあると思いますし、混乱を起こしたりアウト宣告されたりして同人文化がおしまいにならないようにするというのも、参加者としては大事ではないかと思うのです。>ふらっとさん 確かにコミケは個人単位のやりとりとしては肥大しすぎましたが、本文にも書いたとおり立ち振る舞いさえしっかりしていればまだやっていけると思うのです。TRCや晴海など、会場キャパシティの限界を超えた中でも致命的な問題を起こさずやってこれたのですから。>amさん 確かにその話を聞いたことはありますが、その際は晴海→TRCに移転したように一時期だけ周辺の小さめの会場を選ぶか、もしくは中止して一時期だけ他イベントに分散するか、あるいは過去のわだかまりを封じてメッセを選ぶか……自分としてはここまでしか想像できませんが、大元である準備会もきっと何らかの方策を練っているはずでしょう。

 

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